口述 自主トレ3分間 特許1(優先権)

口述ゼミは、要点整理集を用いながら、口述試験対策のサポートをするゼミです。

口述ゼミ合格者の声」でコメントを頂いているように、新橋ゼミの口述ゼミは大変厳しいですが、多くのゼミ生が高い合格率(H25:100%,H26:100%)で最終合格を達成しています。

以下の自主トレで口述ゼミの問題の一部をご紹介します。

【問1】
我が国の特許制度における「優先権主張」の類型を挙げよ。
【答1】
1.特許出願等に基づく優先権主張(41①)
2.パリ条約による優先権主張(43①(26、パリ4))
3.パリ条約の例による優先権主張(43-2①・②)
【問2】
国内優先権制度が設けられた趣旨は?
【答2】
①改良発明をした場合に、補正により新規事項追加となる、或いは別出願すると実質同一を理由に拒絶されてしまうという場合に、包括的で漏れのない保護を図ることができるようにする。②パリ優先権を用いて国内に出願する外国人と日本国民との間で生じていた制度上の差を解消する。
【問3】
先の特許出願を基礎として、国内優先権を主張しようとする場合、先の出願日から1年以内でも優先権主張できない場合は?
【答3】
・先の出願が分割、変更、46-2に係る出願である
・先の出願が放棄、取下げ、却下されている
・先の出願について査定又は審決が確定している
(41①2~4)
【問4】
分割、変更に係る出願を先の出願とできない理由は?
【答4】
分割、変更の要件を満たすか否かの審査が必要となり、審査場も第三者によるサーチ上も負担が増大するから。
【問5】
国内優先権主張を伴う場合と、パリ条約による優先権主張を伴う場合の各出願公開時期は?
【答5】
両者とも同じであり、先の出願/最初の出願(第一国出願)の出願日から1年6月を経過したとき(17-3かっこ書、64①)。
【問6】
国内優先権主張を伴う場合と、パリ条約による優先権主張を伴う場合の特許権の存続期間の始期は?
【答6】
両者とも同じであり、優先権主張を伴う特許出願(後の出願)の出願日(67条1項)。
【問7】
パリ条約による優先権の効果は?
【答7】
第一国出願と第二国出願の間に行われた自己及び他人の行為によって、不利な取扱いを受けず、第三者のいかなる権利又は使用の権能をも生じさせない(パリ4条B)
【問8】
パリ条約において優先権を認める趣旨は?
【答8】
同一の発明等について複数の同盟国に出願をする場合、翻訳等の準備や各国ごとに異なる手続が必要になり、特許出願等を同時に行うことは出願人にとって大きな負担となるので、出願人の負担を軽減するため。
【問9】
複合優先とは?
【答9】
第一国における複数の出願や複数の国における出願をそれぞれ基礎として優先権主張出願をすること。
【問10】
先の出願が国内出願で、後の出願が、日本を指定国に含む国際出願である場合の優先権の種類は?
【答10】
いわゆる自己指定に当たりますので、国内優先権です。

拒絶理由・国際出願・通常出願(論文必須添削講座 第1回)

論文必須添削講座は、ご自宅等で毎回1通の答案を作成していただき、提出された答案を添削する講座です。

論文必須試験合格者の声」でコメントを頂いているように、新橋ゼミでは、本試験に近い問題を厳選して出題しています。下記のダイジェストでその問題の一部をご紹介します。

第1回の講座は、「複数の出願人」、「国際出願」、「通常出願」及び「拒絶理由」等をテーマとした問題を出題しました。講座の一部を抜粋して公開します。

この問題は、実は難しくありません。複雑なだけです。
本質を理解して合理的に問題を解きほぐせば、漏れのない、かつ、スマートな答案が書けるようになるはずです。


【問題】
甲は、イ及びロを独自に発明した後、平成24年4月6日に、日本国において、明細書に発明イ及びロを記載し、特許請求の範囲に発明イを記載した特許出願Xを行った。その後、甲は、ハを独自に発明し、平成25年4月6日に出願Xに基づいて適法なパリ条約の優先権の主張を伴う国際出願Yを、日本国を指定国に含めて日本語で行い、平成26年9月6日に日本国特許庁に対して国内書面の提出及び所定の手数料の支払いを行うことで、適法に国内移行手続を完了した(特許法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされた国際出願Yを「日本語特許出願Y1」という。)。国際出願Yの明細書及び請求の範囲には発明イ、ロ及びハが記載されている。
また、甲は、特許出願Xの前に、完成させた発明イの内容を全て開示して、発明イに関する技術相談及び製品化についての相談を発明イについて守秘義務を有する乙にしていた。
その後、乙は、独自に発明ロを完成させ、平成24年3月6日に、日本国において、明細書に発明イ及びロを記載し、特許請求の範囲に発明イを記載した特許出願Pを行っていた。また、乙は、その後に独自に発明ハを完成させたので、平成25年3月5日に、明細書及び特許請求の範囲に発明イ、ロ及びハを記載して、特許出願Pに基づく特許法第41条の規定による適法な優先権の主張を伴う特許出願Qを行うとともに、当該特許出願Qについて出願審査の請求をした。
その後、乙は・・・

・・・以上のことを前提として、平成26年10月17日を基準として、以下の設問に答えよ。
ただし、発明イ、ロ及びハは、同一ではないが、特許法第37条に規定する発明の単一性の要件を充たす発明であるものとする。また、いずれの出願についても、出願公開の請求はなされておらず、問題文中に明記した場合を除き、国際特許出願でも、外国語書面出願でも、分割又は変更に係るものでも、実用新案登録に基づく特許出願でもなく、さらに、いかなる優先権の主張も伴わず、一度した優先権主張は取り下げず、いかなる補正もなされないものとする。

(1)・・・
(2)・・・
(3)甲による日本語特許出願Y1が、乙による特許出願によって特許法第39条の規定が適用されて拒絶理由が通知される条件について説明せよ。

【解答例】
設問(1)について
・・・
設問(2)について
・・・
設問(3)について
Y1が、法39条の規定が適用されて拒絶理由が通知される条件は、出願Q・・・が設定登録されることである。
1.出願Pについて
既述のように、Pは、Qの国内優先権主張の基礎とされているため取り下げられたものとみなされる(42条1項)。従って、Pは、先願の地位を有しないので(39条5項)、Y1は、Pによって法39条違反の拒絶理由が通知されることはない。
2.出願Qについて
Qに係る発明は、当初、イ、ロ、ハであったが、その後に、ロは削除されているので、イ及びハということになる。そして、法39条1項乃至4項の規定の適用については、イに関して先の出願Pの日を基準に判断され、ハに関して現実の出願Qの日を基準に判断される(41条2項)。同様の理由により、Y1に係る発明のうち、イに関してXの日を基準に判断され、ハに関してYの日を基準に判断される(41条2項)。
そして、イについては乙に係るPが甲に係るXの先願となり、ハについては乙に係るQが甲に係るYの先願となるから、Y1は、イ及びハに関し、Qが設定登録により先願の地位が確定すると(39条5項)、Qの存在を理由に法39条1項違反によって拒絶理由が通知される。
3.出願・・・について
・・・

以上


本講座の狙いは、アウトプットのドリルをすることにあります。小学生の頃などを思い出してください。計算ドリル・漢字ドリルなど、毎日のように宿題が出たかと思います。それと同じで合格までには、ある程度のドリルが必要です。

ドリルによる反復トレーニングを徹底的に行い、回答スピードの向上、ゼミ等の講義内容の記憶定着、そして、法律論文のスキル・センスを磨き上げます。講座が終了するころには、それまでとは全く別物のような答案が書けるようになっていることでしょう。

新規性(論文・短答基礎力再構築講座 第1回)

要点整理集」をテキストとして基礎固めを重点的に行う講座です。

第1回のゼミから「新規性」の部分を公開します。

この場面のポイントは、以下の3点です。
(1)「時分」基準の条文か「日」基準の条文かを意識して条文を読む(「時分」基準が原則)。
(2)条文番号&内容を即答レベルに覚える。
(3)理解すべき論点が多い分野である。

新規性は、短答・論文だけでなく、近年の口述でも非常に狙われやすい重要なテーマです。最初に正確な知識を身に付ければ、後の学習が大変楽になります。

期間の計算(論文・短答基礎力再構築講座 第1回)

要点整理集」をテキストとして基礎固めを重点的に行う講座です。

第1回のゼミから「期間の計算」の部分を公開します。

この場面のポイントは、以下の3点です。
(1)通常期間、不変期間、通常期間と延長、不変期間と附加期間、のように一見似ているものを区別・整理する。
(2)早い段階に条文番号&内容を暗記し、以後の勉強効率を高める。
(3)短答だけでなく口述でも狙われやすい分野である。

期間の計算は、弁理士の日常業務としても非常に身近なテーマです。ただ、身近であるがゆえに、盲点が多いテーマでもあります。この機会に総まとめしてしまいましょう。

基礎と初歩の違いとは?

論文・短答基礎力再構築講座の初回に、基礎と初歩の違いについてお話しました。

近年の弁理士試験では、「何となく分かっている」レベルの受験生がまずは短答試験でふるい落とされます。厳しいことを言えば、短答試験を突破できない方は、ご自身の理解レベルが未だその段階にあるということです。

短答試験で足踏みすることなく、最終合格に向って確実に歩みを進めましょう。