口述 自主トレ3分間 商標1(出願公開・金銭的請求権)

口述ゼミは、要点整理集を用いながら、口述試験対策のサポートをするゼミです。

口述ゼミ合格者の声」でコメントを頂いているように、新橋ゼミの口述ゼミは大変厳しいですが、多くのゼミ生が高い合格率(H25:100%,H26:100%)で最終合格を達成しています。

今回は、商標の口述ゼミの問題の一部をご紹介します。

【問1】
商標法における“出願公開”は何条に規定されていますか?
【答1】
12条の2です。
【問2】
どのような商標登録出願が出願公開の対象となりますか?
【答2】
原則として、全ての商標登録出願です。ただし、出願公開時に特許庁に係属している出願に限られ、放棄、取下げ又は却下された出願は公開されません(12条の2第1項)。
【問3】
国際商標登録出願も公開の対象になりますか?
【答3】
出願公開の対象になります。日本国を指定する領域指定は、商標登録出願とみなされるからです(68条の9第1項)。
【問4】
出願公開は、いつ、どのように、行われますか?
【答4】
商標登録出願後に公報の発行準備が整い次第すみやかに、所定の事項を商標公報に掲載することにより、行われます(青本12条の2。12条の2第2項本文)。
【問5】
出願公開の際に商標公報に掲載される事項を挙げて下さい。
【答5】
(12条の2第2項各号)
(1)商標登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
(2)商標登録出願の番号及び年月日
(3)願書に記載した商標(5条3項に規定するものは標準文字により現したもの)
(4)指定商品又は指定役務
(5)前各号に掲げるもののほか、必要な事項
【問6】
特許法における出願公開は、重複研究や重複投資等を防ぐことを趣旨としています。商標法における出願公開は、どのような理由から定められていますか?
【答6】
平成11年法改正により創設された金銭的請求権に関する規定により、第三者が警告を受けることが考えられ、その公示のためです(青本12条の2)。
【問7】
金銭的請求権と、特許法における補償金請求権と、の相違点を3つ挙げて下さい。
【答7】
例えば、以下のうちのいずれか3つ(参考:P454Q3~Q6、13条の2、特65条)。
(1)出願公開→金銭的請求権は不要/補償金請求権は必要。
(2)使用・実施→金銭的請求権は商標の使用が必要/補償金請求権は発明の実施は不要。
(3)警告→金銭的請求権は悪意の使用者にも警告必要/補償金請求権は悪意の実施者に警告不要。
(4)請求額→金銭的請求権は業務上の損失相当額/補償金請求権は実施料相当額。
【問8】
金銭的請求権が時効によって消滅する場合はありますか?
【答8】
はい。金銭的請求権は、損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅します(13条の2第5項、準民724条)。
【問9】
その“知った時”から3年を超えた後に商標権の設定登録がされた場合、金銭的請求権を行使することができないのですか?
【答9】
いいえ。商標権の設定登録前に使用の事実及び使用をした者を知ったときは、商標権の設定の登録の日から3年間をもって時効消滅することとなるので、その場合であっても金銭的請求権を行使することができます(青本13条の2。同5項で民724条を読み替え)。
【問10】
金銭的請求権は、いわゆる専用権の範囲に限って行使することができますか? それとも、いわゆる禁止権の範囲においても行使することができますか?
【答10】
禁止権の範囲においても行使することができます(13条の2第5項で37条を準用)。